宮本 百合子

からたち

新字新仮名 約1,967字・読了目安4分

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その時分に、まだ菊人形があったのかどうか覚えていないが、狭くって急な団子坂をのぼって右へ曲るとすぐ、路の片側はずっと須藤さんの杉林であった。古い杉の樹が奥暗く茂っていて、夜は五位鷺の声が界隈の闇を劈いた。夏は、その下草の間で耳を聾するばかり…

作品情報

初出「文芸春秋」1939(昭和14)年6月号
分類NDC 914
公開日2003-12-09
最終更新2014-09-18
底本 「宮本百合子全集 第十七巻」新日本出版社
入力柴田卓治
校正磐余彦

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