広津 柳浪

今戸心中

新字新仮名 約41,134字・読了目安82分

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一 太空は一片の雲も宿めないが黒味渡ッて、二十四日の月はまだ上らず、霊あるがごとき星のきらめきは、仰げば身も冽るほどである。不夜城を誇り顔の電気燈にも、霜枯れ三月の淋しさは免れず、大門から水道尻まで、茶屋の二階に甲走ッた声のさざめきも聞えぬ…

作品情報

初出「文芸倶楽部」1896(明治29)年7月
分類NDC 913
公開日2006-05-10
最終更新2014-09-18
底本 「日本の文学 77 名作集(一)」中央公論社
入力土屋隆
校正小林繁雄

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