水野 葉舟

月見草

新字新仮名 約1,264字・読了目安3分

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馬車が深い渓流に沿った懸崖の上を走っていた。はるかの底の方に水の音がする。崖の地肌には雪に、灰色の曇った空がうつって、どことなく薄黒い。疎林がその崖に死んだように立っている。 その中に、馬車の轍の跡だけが、泥に染んでいる。私はいま、東北の或…

作品情報

分類NDC 913
公開日2004-03-28
最終更新2014-09-18
底本 「遠野へ」葉舟会
入力林幸雄
校正今井忠夫

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