坂口 安吾

ふるさとに寄する讃歌

――夢の総量は空気であつた――

新字旧仮名 約6,299字・読了目安13分

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私は蒼空を見た。蒼空は私に泌みた。私は瑠璃色の波に噎ぶ。私は蒼空の中を泳いだ。そして私は、もはや透明な波でしかなかつた。私は磯の音を私の脊髄にきいた。単調なリズムは、其処から、鈍い蠕動を空へ撒いた。 私は窶れてゐた。夏の太陽は狂暴な奔流で鋭…

作品情報

初出「青い馬 創刊号」岩波書店、1931(昭和6)年5月1日
分類NDC 913
公開日2010-05-04
最終更新2016-04-04
底本 「坂口安吾全集 01」筑摩書房
入力tatsuki
校正伊藤時也

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