林 不忘

釘抜藤吉捕物覚書

12 悲願百両

新字新仮名 約15,429字・読了目安31分

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一 ひどい風だ。大川の流れが、闇黒に、白く泡立っていた。 本所、一つ目の橋を渡りきった右手に、墓地のような、角石の立ち並んだ空地が、半島状に、ほそ長く河に突き出ている。 柳が、枝を振り乱して、陰惨な夜景だった。三月もなかば過ぎだというのに、…

作品情報

分類NDC 913
公開日2008-08-05
最終更新2014-09-21
底本 「一人三人全集Ⅰ時代捕物釘抜藤吉捕物覚書」河出書房新社
入力川山隆
校正松永正敏

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