田村 俊子

木乃伊の口紅

旧字旧仮名 約39,939字・読了目安80分

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一 淋しい風が吹いて來て、一本圖拔けて背の高い冠のやうな檜葉の突先がひよろ/\と風に搖られた。一月初めの夕暮れの空は薄黄色を含んだ濁つた色に曇つて、ペンで描いたやうな裸の梢の間から青磁色をした五重の塔の屋根が現はれてゐた。 みのるは今朝早く…

作品情報

初出「中央公論」1913(大正2)年4月
分類NDC 913
公開日2006-10-12
最終更新2014-09-18
底本 「田村俊子作品集・1」オリジン出版センター
入力小鍛冶茂子
校正小林繁雄

底本情報の詳細は青空文庫の図書カードを参照してください。