野村 胡堂

銭形平次捕物控

054 麝香の匂ひ

旧字旧仮名 約12,502字・読了目安25分

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一 「旦那よ――たしかに旦那よ」 「――」 盲鬼になつた年増藝妓のお勢は、板倉屋伴三郎の袖を掴んで、斯う言ふのでした。 「唯旦那ぢや解らないよ姐さん、お名前を判然申上げな」 幇間の左孝は、はだけた胸に扇の風を容れ乍ら、助け舟を出します。 「…

作品情報

初出「オール讀物」文藝春秋社、1936(昭和11)年8月号
分類NDC 913
公開日2014-05-26
最終更新2014-09-16
底本 「錢形平次捕物全集第十卷 八五郎の恋」同光社磯部書房
入力特定非営利活動法人はるかぜ
校正門田裕志

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