実吉 捷郎 (翻訳者)、マン パウル・トーマス

悩みのひととき

新字新仮名 約8,883字・読了目安18分

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彼は机から――例の小さいこわれそうな書物台から立ちあがって、絶望した人のごとく立ちあがって、首を垂れたまま、部屋の反対の隅にある煖炉のほうへ歩いて行った。煖炉の円柱のように長くすらりとできている、炉瓦のところに両手をあててみたが、なにしろも…

作品情報

分類NDC 943
公開日2015-05-18
最終更新2015-03-08
底本 「トオマス・マン短篇集」岩波文庫、岩波書店
入力kompass
校正酒井裕二

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