九条 武子

六甲山上の夏

新字新仮名 約1,318字・読了目安3分

この作品を読む Amazonで探す

薄紫の可憐な松虫草は、大空の星が落した花のような塵にもまみれず、爽やかな夏の朝を、高原のそこここに咲いていた。美しい糸を包んだ薄は日に/\伸びてゆき、山上の荘は秋もまだ訪ずれぬのに、昼さえ澄んだ虫の声をきくのであった。 海抜三千尺という山の…

作品情報

初出「無憂華」実業之日本社、1927(昭和2)年
公開日2022-10-20
最終更新2022-09-26
底本 「ふるさと文学館 第三四巻 【兵庫】」ぎょうせい
入力かな とよみ
校正noriko saito

底本情報の詳細は青空文庫の図書カードを参照してください。