宮本 百合子

ひととき

新字新仮名 約3,334字・読了目安7分

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はるかな森の梢に波立って居るうす紅い夕栄の雲の峯を見入りながら、私は花園の入口の柱によりかかって居る。 何となく朝から霧の晴れ切れない様な日だったので、非常に静寂な夕暮である。 うす青い様な空気の中に素早い動作で游いで居るトンボと蝙蝠の幾匹…

作品情報

分類NDC 914
公開日2008-03-31
最終更新2014-09-21
底本 「宮本百合子全集 第三十巻」新日本出版社
入力柴田卓治
校正土屋隆

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