宮本 百合子

一九三二年の春

新字新仮名 約21,941字・読了目安44分

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一 三月二十九日の朝、私は塩尻駅前の古風な宿屋で目をさました。雪が降っていた。この辺では、宿屋などは夜じゅう雨戸をしめず、炬燵のある部屋の障子をあけると、もういきなり雪がさかんに降っている内庭が眺められる。松の枝につもる雪を見ながら朝飯をし…

作品情報

初出「改造」(はじめの約15枚分)1932(昭和7)年8月号、「プロレタリア文学」(残りを追加して再掲)1933(昭和8)年1~2月号
分類NDC 913 916
公開日2002-06-03
最終更新2014-09-17
底本 「宮本百合子全集 第四巻」新日本出版社
入力柴田卓治
校正松永正敏

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