宮本 百合子

後庭

新字新仮名 約1,565字・読了目安3分

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いつもの様に私は本を持って庭に出た。 書斎の前の木の茂みの深い間々を、静かに読みながら行き来すると、ピッタリと落つきを持って生えた苔の美くしい地面の何とも云えず好い一種の香いが、モタモタした気持をスッキリ澄せて行く。 二三度左手を帯にはさん…

作品情報

分類NDC 914
公開日2008-03-29
最終更新2014-09-21
底本 「宮本百合子全集 第三十巻」新日本出版社
入力柴田卓治
校正土屋隆

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