折口 信夫

雪の島

熊本利平氏に寄す

新字旧仮名 約20,876字・読了目安42分

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一 志賀の鼻を出離れても、内海とかはらぬ静かな凪ぎであつた。舳の向き加減で時たまさし替る光りを、蝙蝠傘に調節してよけながら、玄海の空にまつ直に昇る船の煙に、目を凝してゐた。艫のふなべり枕に寝てゐて、しぶき一雫うけぬ位である。時々、首を擡げて…

作品情報

分類NDC 291 387
公開日2007-07-27
最終更新2014-09-21
底本 「折口信夫全集 3」中央公論社
入力高柳典子
校正多羅尾伴内

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