宮本 百合子

刻々

新字新仮名 約36,213字・読了目安72分

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一 朝飯がすんで、雑役が監房の前を雑巾がけしている。駒込署は古い建物で木造なのである。手拭を引さいた細紐を帯がわりにして、縞の着物を尻はし折りにした与太者の雑役が、ズブズブに濡らした雑巾で出来るだけゆっくり鉄格子のこま一つ一つを拭いたりして…

作品情報

初出「中央公論」1951(昭和26)年3月号
分類NDC 913 916
公開日2002-06-03
最終更新2014-09-17
底本 「宮本百合子全集 第四巻」新日本出版社
入力柴田卓治
校正松永正敏

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