渡辺 温

父を失う話

新字新仮名 約3,090字・読了目安6分

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こないだの朝、私が眼をさますと、枕もとの鏡付の洗面台で、父は久しい間に蓄えた髭を剃り落としていた。そよ風が窓から窓帷をゆすって流れ込んで、そして新鮮な朝日のかげは青々と鏡の中の父の顔に漲っていた。 おもてで小鳥が啼いた。 「お父さん、いいお…

作品情報

分類NDC 913
公開日1999-07-28
最終更新2014-09-17
底本 「アンドロギュノスの裔」薔薇十字社
入力森下祐行
校正もりみつじゅんじ

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