寺田 寅彦

竜舌蘭

新字新仮名 約5,014字・読了目安10分

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一日じめじめと、人の心を腐らせた霧雨もやんだようで、静かな宵闇の重く湿った空に、どこかの汽笛が長い波線を引く。さっきまで「青葉茂れる桜井の」と繰り返していた隣のオルガンがやむと、まもなく門の鈴が鳴って軒の葉桜のしずくが風のないのにばらばらと…

作品情報

初出「ホトトギス」1905(明治38)年6月
分類NDC 470
公開日1999-11-24
最終更新2014-09-17
底本 「寺田寅彦随筆集 第一巻」岩波文庫、岩波書店
入力田辺浩昭
校正田中敬三

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