寺田 寅彦

嵐

新字新仮名 約4,549字・読了目安9分

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始めてこの浜へ来たのは春も山吹の花が垣根に散る夕であった。浜へ汽船が着いても宿引きの人は来ぬ。独り荷物をかついで魚臭い漁師町を通り抜け、教わった通り防波堤に沿うて二町ばかりの宿の裏門を、やっとくぐった時、朧の門脇に捨てた貝殻に、この山吹が乱…

作品情報

初出「ホトトギス 第十巻第一号」1906(明治39)年10月1日
分類NDC 914
公開日2004-01-16
最終更新2016-02-25
底本 「寺田寅彦全集 第一巻」岩波書店
入力Nana ohbe
校正佳代子

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