偸盗
新字新仮名 約54,536字・読了目安109分
一 「おばば、猪熊のおばば。」 朱雀綾小路の辻で、じみな紺の水干に揉烏帽子をかけた、二十ばかりの、醜い、片目の侍が、平骨の扇を上げて、通りかかりの老婆を呼びとめた。―― むし暑く夏霞のたなびいた空が、息をひそめたように、家々の上をおおいかぶ…
作品情報
| 初出 | 「中央公論」1917(大正6)年4、7月 |
|---|---|
| 分類 | NDC 913 |
| 公開日 | 1998-10-04 |
| 最終更新 | 2014-09-17 |
| 底本 | 「羅生門・鼻・芋粥・偸盗」岩波文庫、岩波書店 |
| 入力 | 福田芽久美 |
| 校正 | 野口英司 |
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