豊島 与志雄

月明

新字新仮名 約16,809字・読了目安34分

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一 褌一つきりの裸体の漁夫が、井端で、大漁の鯵を干物に割いていた。 海水帽の広い縁で、馬車馬の目隠しのように雨の頬を包んで、先に立ってすたすた歩いていた姉が、真直を向いたまま晴れやかな声で、 「今日は。」 と声をかけると、漁夫も仕事の手元か…

作品情報

初出「新小説」1921(大正10)年11月
分類NDC 913
公開日2008-10-22
最終更新2014-09-21
底本 「豊島与志雄著作集 第一巻(小説Ⅰ)」未来社
入力tatsuki
校正松永正敏

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