豊島 与志雄

溺るるもの

新字新仮名 約17,864字・読了目安36分

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一 或る図書館員の話 掘割の橋のたもとで、いつも自動車を乗り捨てた。 眼の届く限り真直な疏水堀で、両岸に道が通じ、所々に橋があって、黒ずんだ木の欄干が水の上に重り合って見える。右側は大きな陰欝な工場、左側は小さな粗末な軒並……。その軒並の彼…

作品情報

初出「中央公論」1928(昭和3)年4月
分類NDC 913
公開日2008-03-10
最終更新2014-09-21
底本 「豊島与志雄著作集 第三巻(小説Ⅲ)」未来社
入力tatsuki
校正門田裕志

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