田中 貢太郎

蠅供養

新字新仮名 約4,271字・読了目安9分

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火鉢に翳している右の手の甲に一疋の蠅が来て止った。未だ二月の余寒の強い比にあっては、蠅は珍らしかった。九兵衛はもう蠅の出る時候になったのかと思ったが、それにしてもあまり早すぎるのであった。 九兵衛は手を動かして蠅を追った。蠅は前の帳場格子の…

作品情報

分類NDC 913
公開日2003-08-14
最終更新2014-09-17
底本 「日本の怪談(二)」河出文庫、河出書房新社
入力Hiroshi_O
校正小林繁雄、門田裕志

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