石川 啄木

漂泊

新字旧仮名 約14,545字・読了目安29分

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一 曇ツた日だ。 立待崎から汐首の岬まで、諸手を拡げて海を抱いた七里の砂浜には、荒々しい磯の香りが、何憚らず北国の強い空気に漲ツて居る。空一面に渋い顔を開いて、遙かに遙かに地球の表面を圧して居る灰色の雲の下には、圧せられてたまるものかと云は…

作品情報

初出(一)「紅苜蓿」1907(明治40)年7月号
分類NDC 913
公開日2008-08-20
最終更新2014-09-21
底本 「石川啄木全集 第三巻 小説」筑摩書房
入力Nana ohbe
校正林幸雄

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