久生 十蘭

雪間

新字新仮名 約11,850字・読了目安24分

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一 宮ノ下のホテルを出たときは薄月が出ていたが、秋の箱根の天気癖で、五分もたたないうちに霧がかかってきた。笠原の別荘の門を入ると、むこうのケースメントの硝子の面に夜明けのような空明りがうつり、沈んだ陰鬱な調子をつけている。急に冷えてきたとみ…

作品情報

初出「別冊文藝春秋 第五十六号」1957(昭和32)年2月
分類NDC 913
公開日2021-01-28
最終更新2020-12-27
底本 「久生十蘭全集 Ⅱ」三一書房
入力門田裕志
校正芝裕久

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