久生 十蘭

雲の小径

新字新仮名 約16,737字・読了目安33分

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一 時間からいうと、伊勢湾の上あたりを飛んでいるはずだが、窓という窓が密度の高いすわり雲に眼隠しされているので、所在の感じが曖昧である。 大阪を飛びだすと、すぐ雲霧に包みこまれ、それからもう一時間以上も、模糊とした灰白色の空間を彷徨している…

作品情報

初出「別冊少年新潮」1956(昭和31)年1月
分類NDC 913
公開日2021-05-14
最終更新2021-04-27
底本 「久生十蘭全集 Ⅱ」三一書房
入力門田裕志
校正芝裕久

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