菊池 寛

藤十郎の恋

新字新仮名 約15,461字・読了目安31分

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一 元禄と云う年号が、何時の間にか十余りを重ねたある年の二月の末である。 都では、春の匂いが凡ての物を包んでいた。ついこの間までは、頂上の処だけは、斑に消え残っていた叡山の雪が、春の柔い光の下に解けてしまって、跡には薄紫を帯びた黄色の山肌が…

作品情報

初出「大阪毎日新聞」1919(大正8)年4月
分類NDC 913
公開日2008-09-24
最終更新2014-09-21
底本 「藤十郎の恋・恩讐の彼方に」新潮文庫、新潮社
入力川山隆
校正noriko saito

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