原 民喜

溺死・火事・スプーン

新字旧仮名 約1,042字・読了目安2分

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父に連れられて高松から宇治への帰航の途中だった。号一は一人で甲板をよちよち歩き廻って、誰もゐない船尾へ来ると、舵へ噛みつく波のまっ白なしぶきを珍しがって眺めてゐた。それは白熊のやうな恰好になったり、時には巨人の貌になった。あたりの海は凡て穏…

作品情報

分類NDC 913
公開日2009-08-20
最終更新2014-09-21
底本 「普及版 原民喜全集第一巻」芳賀書店
入力蒋龍
校正小林繁雄

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