菊池 寛

船医の立場

新字新仮名 約11,723字・読了目安23分

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一 晩春の伊豆半島は、所々に遅桜が咲き残り、山懐の段々畑に、菜の花が黄色く、夏の近づいたのを示して、日に日に潮が青味を帯びてくる相模灘が縹渺と霞んで、白雲に紛れぬ濃い煙を吐く大島が、水天の際に模糊として横たわっているのさえ、のどかに見えた。…

作品情報

分類NDC 913
公開日2000-02-08
最終更新2014-09-17
底本 「菊池寛 短篇と戯曲」文芸春秋
入力真先芳秋
校正大野晋

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