外村 繁

日を愛しむ

新字新仮名 約20,820字・読了目安42分

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妻、素子が退院し、二ヵ月振りでわが家へ帰ったのは、四月中旬のことである。曇った日で、門前の吉野桜の花はすっかり散り落ち、枝には赤い萼が点々と残っている。素子は桜の梢の方へ目を遣ってから、門を入った。玄関では、満八十二になる、私の母が背を円く…

作品情報

初出「群像」1961(昭和36)年1月
分類NDC 913
公開日2013-11-20
最終更新2014-09-16
底本 「澪標・落日の光景」講談社文芸文庫、講談社
入力kompass
校正門田裕志

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