吉川 英治

増長天王

新字新仮名 約14,747字・読了目安29分

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山目付 こんな奥深い峡谷は、町から思うと寒い筈だが、案外冷たい風もなく、南勾配を選って山歩きをしていると草萌頃のむしむしとする地息に、毛の根が痒くなる程な汗を覚える。 天明二年の春さきである。 木の芽の色、玲瓏な空、もえる陽炎、まことに春ら…

作品情報

初出「サンデー毎日 春季特別号」1927(昭和2)年4月1日
分類NDC 913
公開日2013-03-21
最終更新2014-09-16
底本 「治郎吉格子 名作短編集(一)」吉川英治歴史時代文庫、講談社
入力門田裕志
校正川山隆

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