吉川 英治

夏虫行燈

新字新仮名 約20,175字・読了目安40分

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風入れ異変 一 迅い雲脚である。裾野の方から墨を流すように拡がって、見る間に、盆地の町――甲府の空を蔽ってしまう。 遽かに、日蝕のように晦かった。 板簾の裾は、大きく風に揚げられて、廂をたたき、庭の樹々は皆、白い葉裏を翻して戦ぎ立つ―― 『…

作品情報

初出「婦人倶楽部 別冊付録」大日本雄弁会講談社、1938(昭和13)年8月
分類NDC 913
公開日2014-03-07
最終更新2014-09-16
底本 「吉川英治全集・43 新・水滸傳(二)」講談社
入力川山隆
校正門田裕志

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