山本 周五郎

義経の女

新字新仮名 約3,884字・読了目安8分

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そのとき千珠は、屋形の廂にいて、京から来た文を読んでいた。建久二年の、正月もまだ中ごろのことだったが、伊豆のくには暖かくて、簀子縁のさきにある蔀格子から、やわらかい午後の光といっしょに、さかりの梅の香が噎せるほどもよく薫ってきた。文のぬしは…

作品情報

初出「少女之友」実業之日本社、1943(昭和18)年12月号
公開日2026-01-06
最終更新2026-01-02
底本 「山本周五郎全集第十九巻 蕭々十三年・水戸梅譜」新潮社
入力特定非営利活動法人はるかぜ
校正北川松生

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