永井 荷風

花火

新字新仮名 約6,122字・読了目安12分

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午飯の箸を取ろうとした時ポンと何処かで花火の音がした。梅雨も漸く明けぢかい曇った日である。涼しい風が絶えず窓の簾を動かしている。見れば狭い路地裏の家々には軒並に国旗が出してあった。国旗のないのはわが家の格子戸ばかりである。わたしは始めて今日…

作品情報

初出「改造 第一卷第九號」改造社、1919(大正8)年12月1日
分類NDC 914
公開日2020-07-01
最終更新2020-06-27
底本 「麻布襍記 ――附・自選荷風百句」中公文庫、中央公論新社
入力きりんの手紙
校正砂場清隆

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