佐藤 春夫

奈良の晩春

新字旧仮名 約2,385字・読了目安5分

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花はおほかた散りうせて、名にし負ふ八重桜は僅かに残つてゐるけれども、かうなると花ももう汚い。さうして藤にはまだ早い。 さういふ季節の奈良の山のなかを(確かに山中と呼ばなければいけない)われらは月日亭から春日さまの方へ通り抜けて行く。潺湲たる…

作品情報

公開日2024-05-06
最終更新2024-05-01
底本 「定本 佐藤春夫全集 第8巻」臨川書店
入力杉浦鳥見
校正持田和踏

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