永井 荷風

春雨の夜

新字新仮名 約3,336字・読了目安7分

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雨戸がしまったので午後から降出した雨の音は殆ど聞えなくなった。 女中の知らせに老夫婦は八畳の茶の間へ来て、膳の前に置かれた座布団に坐ると二人ともに言合したように身のまわりを見廻した。 昨日まで――昨日の夕飯の時までこの八畳の茶の間にはもう一…

作品情報

初出「明星 第一卷第七號」1922(大正11)年5月1日
分類NDC 913
公開日2021-03-19
最終更新2021-02-26
底本 「麻布襍記 ――附・自選荷風百句」中公文庫、中央公論新社
入力砂場清隆
校正入江幹夫

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