芥川 竜之介

蜜柑

新字旧仮名 約3,527字・読了目安7分

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或曇つた冬の日暮である。私は横須賀発上り二等客車の隅に腰を下して、ぼんやり発車の笛を待つてゐた。とうに電燈のついた客車の中には、珍らしく私の外に一人も乗客はゐなかつた。外を覗くと、うす暗いプラツトフオオムにも、今日は珍しく見送りの人影さへ跡…

作品情報

初出「新潮」1919(大正8)年5月
分類NDC 913
公開日1998-03-16
最終更新2014-09-17
底本 「現代日本文学大系 43 芥川龍之介集」筑摩書房
入力j.utiyama
校正野口英司

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