芥川 竜之介

酒虫

新字旧仮名 約7,363字・読了目安15分

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一 近年にない暑さである。どこを見ても、泥で固めた家々の屋根瓦が、鉛のやうに鈍く日の光を反射して、その下に懸けてある燕の巣さへ、この塩梅では中にゐる雛や卵を、そのまゝ蒸殺してしまふかと思はれる。まして、畑と云ふ畑は、麻でも黍でも、皆、土いき…

作品情報

初出1916(大正5)年6月「新思潮」
分類NDC 913
公開日1998-11-13
最終更新2014-09-17
底本 「芥川龍之介全集 第一巻」岩波書店
入力もりみつじゅんじ
校正林めぐみ

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