横光 利一

旅愁

新字新仮名 約574,204字・読了目安1148分

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家を取り壊した庭の中に、白い花をつけた杏の樹がただ一本立っている。復活祭の近づいた春寒い風が河岸から吹く度びに枝枝が慄えつつ弁を落していく。パッシイからセーヌ河を登って来た蒸気船が、芽を吹き立てたプラターンの幹の間から物憂げな汽缶の音を響か…

作品情報

分類NDC 913
公開日2001-09-13
最終更新2014-09-17
底本 「旅愁 下」講談社文芸文庫、講談社 / 「旅愁 上」講談社文芸文庫、講談社
入力kompass
校正松永正敏

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