芥川 竜之介

蜜柑

新字新仮名 約3,737字・読了目安7分

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或曇った冬の日暮である。私は横須賀発上り二等客車の隅に腰を下して、ぼんやり発車の笛を待っていた。とうに電燈のついた客車の中には、珍らしく私の外に一人も乗客はいなかった。外を覗くと、うす暗いプラットフォオムにも、今日は珍しく見送りの人影さえ跡…

作品情報

初出「新潮」1919(大正8)年5月
分類NDC 913
公開日2005-02-08
最終更新2014-09-18
底本 「蜘蛛の糸・杜子春」新潮文庫、新潮社
入力蒋龍
校正noriko saito

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