久生 十蘭

玉取物語

新字新仮名 約10,055字・読了目安20分

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嘉永のはじめ(嘉永二年十月)のことでござった。西国のさる大藩の殿様が本国から江戸へ御帰府の途次、関の宿の近くに差懸った折、右の方のふぐりが俄に痒くなった。蕁草の刺毛で弄われるような遣瀬なさで、痒味辛味は何にたとえようもないほどであった。しば…

作品情報

初出「別冊文藝春秋 第二十四号小説二十人集」1951(昭和26)年10月30日
分類NDC 913
公開日2021-04-06
最終更新2021-03-27
底本 「久生十蘭全集 Ⅱ」三一書房
入力門田裕志
校正芝裕久

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