芥川 竜之介

槍ヶ岳紀行

新字旧仮名 約4,207字・読了目安8分

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一 島々と云ふ町の宿屋へ着いたのは、午過ぎ――もう夕方に近い頃であつた。宿屋の上り框には、三十恰好の浴衣の男が、青竹の笛を鳴らしてゐた。 私はその癇高い音を聞きながら、埃にまみれた草鞋の紐を解いた。其処へ婢が浅い盥に、洗足の水を汲んで来た。…

作品情報

初出「改造」1920(大正9)年7月
分類NDC 915
公開日2003-03-24
最終更新2014-09-17
底本 「現代日本紀行文学全集 中部日本編」ほるぷ出版
入力林幸雄
校正砂場清隆

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