岡本 かの子

晩春

新字新仮名 約1,782字・読了目安4分

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鈴子は、ひとり、帳場に坐って、ぼんやり表通りを眺めていた。晩春の午後の温かさが、まるで湯の中にでも浸っているように体の存在意識を忘却させて魂だけが宙に浮いているように頼り無く感じさせた。その頼り無さの感じが段々強くなると鈴子の胸を気持ち悪く…

作品情報

初出「明日香」1936(昭和11)年6月号
分類NDC 913
公開日2008-11-12
最終更新2014-09-21
底本 「岡本かの子全集2」ちくま文庫、筑摩書房
入力門田裕志
校正オサムラヒロ

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