堀 辰雄

馬車を待つ間

旧字旧仮名 約8,886字・読了目安18分

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1 「やあ綺麗だなあ……」 埃りまみれの靴の紐をほどきながら、ひよいと顏を上げた私は、さう思はずひとりごとを言つた。 崖ばらに一かたまり、何んの花だか、赤やら白やら咲きみだれてゐるのが、夕闇を透かしながらくつきりと見えたのである。 「その躑…

作品情報

初出「新潮 第二十九年第五号」1932(昭和7)年5月号
分類NDC 913
公開日2012-10-12
最終更新2014-09-16
底本 「堀辰雄作品集第一卷」筑摩書房
入力tatsuki
校正大沢たかお

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