春
新字旧仮名 約665字・読了目安1分
春といふと、曾て紀州にあそんだ時のことが思ひ出されて来た。あそこは潮流の関係で、春の来ることが早く、伊勢あたりはまだやつと梅の花が散つた頃なのに、そこでは山桜が咲きみだれ、夏蜜柑が黄熟し、菜の花が黄く、蛙の声が到るところに湧くやうきこえた。…
作品情報
| 初出 | 「婦人之友 第十七巻第四号」1923(大正12)年4月1日 |
|---|---|
| 分類 | NDC 915 |
| 公開日 | 2020-05-31 |
| 最終更新 | 2020-04-28 |
| 底本 | 「定本 花袋全集 第二十七巻」臨川書店 |
| 入力 | 特定非営利活動法人はるかぜ |
| 校正 | 岡村和彦 |
田山 花袋の他の作品
底本情報の詳細は青空文庫の図書カードを参照してください。