菊池 寛

出世

新字新仮名 約8,901字・読了目安18分

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譲吉は、上野の山下で電車を捨てた。 二月の終りで、不忍の池の面を撫でてくる風は、まだ冷たかったが、薄暖い早春の日の光を浴びている楓や桜の大樹の梢は、もうほんのりと赤みがかっているように思われた。 ずいぶん図書館へも来なかったなと、譲吉は思っ…

作品情報

分類NDC 913
公開日1999-03-08
最終更新2014-09-17
底本 「菊池寛 短篇と戯曲」文芸春秋
入力真先芳秋
校正鈴木伸吾

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