南部 修太郎

霧の夜に

旧字旧仮名 約5,471字・読了目安11分

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霧の深い、暖かな晩だつた。誘はれるやうに家を出たKと私は、乳色に柔かくぼかされた夜の街を何處ともなく彷徨ひ歩いた。大氣はしつとりと沈んでゐた。そして、その重みのある肌觸りが私の神經を異樣に昂ぶらせた。私の歩調はともすれば早み勝ちだつた。――…

作品情報

分類NDC 913
公開日2000-02-19
最終更新2014-09-17
底本 「若き入獄者の手記」文興院
入力小林徹
校正柳沢成雄

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