牧野 信一

爪

新字旧仮名 約5,661字・読了目安11分

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寒い晩だつた。密閉した室で、赫々と火を起した火鉢に凭つて、彼は坐つて居た。未だ宵のうちなのに周囲には、寂として声がなかつた。 彼は二三日前から病気と称して引籠つて居た。別に、どこがどう、といふのではなかつたが、それからそれへ眠り続けた勢か、…

作品情報

初出「十三人 第一巻第二号(十二月号)」十三人社、1919(大正8)年12月1日
分類NDC 913
公開日2011-07-04
最終更新2014-09-16
底本 「牧野信一全集第一巻」筑摩書房
入力宮元淳一
校正門田裕志

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