室生 犀星

後の日の童子

新字新仮名 約16,095字・読了目安32分

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一 夕方になると、一人の童子が門の前の、表札の剥げ落ちた文字を読み上げていた。植込みを隔てて、そのくろぐろした小さい影のある姿が、まだ光を出さぬ電燈の下に、裾すぼがりの悄然とした陰影を曳いていた。 童子は、いつも紅い塗のある笛を手に携えてい…

作品情報

初出「女性」1923(大正12)年2月号
分類NDC 913
公開日2013-10-21
最終更新2014-09-16
底本 「文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子」ちくま文庫、筑摩書房
入力門田裕志
校正岡村和彦

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