永井 荷風

狐

新字新仮名 約12,747字・読了目安25分

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一 小庭を走る落葉の響、障子をゆする風の音。 私は冬の書斎の午過ぎ。幾年か昔に恋人とわかれた秋の野の夕暮を思出すような薄暗い光の窓に、ひとり淋しく火鉢にもたれてツルゲネーフの伝記を読んでいた。 ツルゲネーフはまだ物心もつかぬ子供の時分に、樹…

作品情報

初出「中学世界」1909(明治42)年1月1日
分類NDC 913
公開日2012-06-27
最終更新2014-09-16
底本 「荷風全集 第六巻」岩波書店
入力渡辺哲史
校正米田

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