江戸川 乱歩

火星の運河

新字新仮名 約5,278字・読了目安11分

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又あすこへ来たなという、寒い様な魅力が私を戦かせた。にぶ色の暗が私の全世界を覆いつくしていた。恐らくは音も匂も、触覚さえもが私の身体から蒸発して了って、煉羊羹の濃かに澱んだ色彩ばかりが、私のまわりを包んでいた。 頭の上には夕立雲の様に、まっ…

作品情報

初出「新青年」博文館、1926(大正15)年4月
分類NDC 913
公開日2017-04-29
最終更新2017-03-11
底本 「江戸川乱歩全集 第3巻 陰獣」光文社文庫、光文社
入力金城学院大学 電子書籍制作
校正門田裕志

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