山本 周五郎

暗がりの乙松

新字新仮名 約12,471字・読了目安25分

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一 居合腰になってすーと障子を明ける、そのまましばらく屋内のようすを聞きすましてから、そっと廊下へ忍び出た。とたんに、 〽きりぎりす 袖も袂も濡れ縁に 隣の部屋から、さびた良い声で唄いだすのが聞えてきた。 「――またか!」 野火の三次は舌打…

作品情報

初出「キング」大日本雄辯會講談社、1936(昭和11)年9月号
公開日2022-10-03
最終更新2022-09-26
底本 「山本周五郎全集第十八巻 須磨寺附近・城中の霜」新潮社
入力特定非営利活動法人はるかぜ
校正noriko saito

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